【セカンドオピニオンの勧め】【医者の不安症候群で患者が不幸に】気の毒すぎる話;不必要な手術

みなさま.こんにちは.

最近,患者さんの話を聞いて,倒れそうになりました....

Aさんとしましょう.
Aさんは,人間ドックをある医療機関で受けました.
腹部超音波で,胆嚢の壁が厚くなっており,総ビリルビンが1.6,間接ビリルビンが1.4 であったため(正常値ではありません.高いです.)
造影CT, MRIをするよう勧められました.
そこで,胆嚢腺筋腫症の疑いと言われました.

1か月後,Aさんは,右側の上腹部がいたい,背中がはる,ということである医療機関を受診しました.
そこで,採血すると,総ビリルビンが2.4 関節ビリルビンが1.8となっておりました.
そして,その医療機関から,どこかの大学病院で精査するようにと言われて,紹介状を持って
職場の近くのある私立大学病院の分院Bを受診しました.(分院は東京都のお隣の県です.本院は東京都にあります.)

そこで,消化器外科から受けた説明です.

「胆嚢腺筋腫症が最も考えられるが,ビリルビンが高いので,がんの可能性も捨てきれない.」
そうして,Aさんは医師に勧められて(脅されて?)いきなり胆嚢摘出術を受けることとなりました.
手術標本はもちろん,胆嚢腺筋腫症でした.

その上,医師は,胆嚢腺筋腫症だったので手術の必要自体がやっぱりなかった,という話になったとき,こういったそうです.
「あなたの胆嚢は殆ど機能していなかった.」

呆れてものが言えません.
機能していないことと,手術侵襲を加えて取らなければならないことは別の次元の話です.

ちなみに,胆嚢腺筋腫症の診断治療方針です.

 

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https://clinicalsup.jp/contentlist/1271.html

疾患のポイント:
  1. 胆嚢ポリープとは、胆嚢の内腔粘膜が一部隆起している状態であり、炎症性・過形成性およびコレステロール由来のものに分類される。一方、胆嚢腺筋腫症とは胆嚢壁に存在する憩室の一種であるロキタンスキー・アショフ洞が増殖・拡張し胆嚢壁が部分的あるいは全体的に肥厚する疾患である。
  1. 胆嚢ポリープの発見頻度は4.3~6.9%、胆嚢腺筋腫症の発見頻度は0.2~0.4%である。胆嚢ポリープには、コレステロールポリープ、炎症性ポリープ、腺腫などがある。
  1. 一方、胆嚢癌は0.011%に発見されていることから、発見したときに正確な診断を行うことが勧められる。 
専門医相談のタイミング: 
  1. 10mm以上あるときには専門医に紹介する。広基性であるときや増大傾向を認めるときには、癌の可能性があるので専門医に紹介する。 (この患者さんについては,全然そんなことはありませんでした.)
 
胆嚢腺腫・胆嚢癌疑い:
  1. 広基性で内部エコーが不均一なポリープは、胆嚢腺腫あるいは胆嚢癌を疑う。特に大きさ10mm以上は胆嚢癌の可能性が高い。CT、MRIなどの追加検査を考慮する。
  1. 広基性
  1. 大きさ10㎜以上
  1. 充実性エコー
  1. 血流豊富
  1. フォローアップ:
  1. 広基性で大きさ10mm以上、充実エコーを呈する胆嚢ポリープを有する患者は、胆嚢摘出術を行うことが勧められる。
  1. 有茎性で大きさ10mm以下、高エコーを呈する桑実状ポリープを有する患者は、1年後に腹部超音波検査を再検することが勧められる。

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要するに,経過を観察せずに手術,なんて乱暴なやり方は,ないと言うことです.

 

患者さんは,かわいそうですね.
こんな子供だまし(失礼!)で,だまされるのですね.

がんの可能性が捨てきれないのは,どの国民にも言えることであって
この人に特別なことではありません...
可能性を否定することは出来ません.

わたしは,この話をここまで聞いただけで卒倒しました.

なんで????
なんで経過観察しなくていきなり手術???
この病院の外科医たちには,経過観察という選択肢はないのか?????
つーか,そもそも,紹介状を書くほうも書くほうだよな..
経過観察がなぜできないのか????

そもそも,この人の高ビリルビン血症は,体質性黄疸というものであり,まったく支障はありません.
随分昔から指摘されているはずです.(本人に確認しました.)

体質性黄疸が,臨床現場で問題になることは殆どありません.
一部,人口の5%を占めるとされるジルベール症候群では,UGT1A1遺伝子の異常があるため,
薬剤応答で気を付けないといけないことがあります.
抗がん剤には,気を付けないといけないものがあります.

しかーし!!!!
総合内科専門医のわたしが,この病歴だけから,「経過観察でいいよ.」と判断できるものを
どうしていきなり手術したのでしょうか???

その上,Aさんは,腹腔鏡でした手術の痕が化膿して,B病院に受診希望を伝えているにもかかわらず
電話の受付のお姉さんに
もう終診になっているから,紹介状がないと診療できない,と拒否されているそうです.
自分たちが手術した痕が化膿して苦しんでいる患者を,紹介状がないと診療しないと言っているのですよ??
呆れませんか???

頭に来たので,クレーム対応してくれる部署につないでくれるようにいって,それでもだめなら
医療機関を管轄する保健所に連絡するようにお伝えしました.

一体何を考えたらこんなことができるのでしょうか?

わたしが研修医の時の教授,三好勇夫先生のお言葉です.
「不安定な医師が患者を不安定にするのだ.」

三好先生は,名教授でした.大変厳しかったです.
今の若い医師たちは(というじてんでわたしはおばはんですが!)すぐに輪切りの画像に頼ります.

しかし.
医師の本領は,身体診察.そして,病歴から情報をしっかりとって
総合的に診断するという能力なのです.

この医師たちが,この医学の基本が出来たなら,体質性黄疸だから経過観察しようと言う判断になったはずです.
基本ができない医師たちが増産されていることを
わたしは大変恐ろしく感じています.

大学病院だったら安心
大病院だったら安心

そうでしょうか???

それならば,東京女子医大が2回も特定機能病院を取り消されてしまったり
群馬大学医学部付属病院が死亡事故を立て続けに起こしてやはり特定機能病院を取り消されたり
千葉県立がんセンターが手術による死亡事故を多数起こして,告発した医師をパワハラで辞職に追い込んだりなんて
そういう事件は存在しないはずではないでしょうか?

根拠のない大病院信仰.
そろそろやめてはどうですか?

 

 

 

日本は,世界のCTの1/3が存在する国です.
どうしてこんなに必要なのでしょうか?

ちなみに,インフルエンザのクスリ,タミフルも世界の8割を消費しています.おかしな国です.

すぐに検査を要求する,検査してもらったら安心,という国民性.

そして,その国民たちを,自分が不安だからと手術に駆り立てる医師たち.(不安症候群は医師たちです

とてもじゃないけど,まともな医療とは思えません.

この患者さんは,長い間とても不安と怒りでいっぱいだったそうです.

大体,外科医がメスを置いたら内科医だなんて,ふざけてますよね.
だったら,この患者が体質性黄疸であって,経過観察するのが一番いい,とどうして判断できなかったんでしょうか?

それとも,病院から,手術何件というノルマが課せられているのでしょうか?

国民のみなさまは,病院は安心する場所だと思っているようですが,私にはとてもそうは思えません.

医師の皆様.
お願いです.

この人があなたの家族だったら,恋人だったら,友人だったら
手術したでしょうか?

もっと,目の前の患者に愛をもって接してください.

患者のみなさま.
一旦切除した臓器は元に戻りません.
あなたに残るのは,手術の痕と悔しい気持ちです.

その前に.セカンドオピニオンを是非受けてください.
料金はかかりますが.

あなたの身体も命も,あなたのものです.
その医師は大丈夫ですか?

 

 

 

 

 

 

3 thoughts on “【セカンドオピニオンの勧め】【医者の不安症候群で患者が不幸に】気の毒すぎる話;不必要な手術

  1. 81才女性患者の家族として申し上げます。
    患者とは母ですが、うつ、糖尿病の薬を服用中。3年前に手術した肺がん再発、転移があるからとろくろく検査もせず高齢の母をまるめこんでイレッサ投与。私としては年令、他の病気もあり母の身体が今どんな状態か調べた上でどうするか判断したいので総合的に看て頂きたいとでも、それは難しいと、、総合病院てなに?

    1. 主治医に対する不満は,そちらにぶつけていただいて,解決しなければセカンドオピニオン等の手続きをお取りくださいますようお願いいたします.わたしならどうしてイレッサがいいのかきちんと説明いたしますよ.私はイレッサがいいと判断する材料を今持ち合わせていませんが.

  2. Dr.minervaのことをもっと早く知っていれば、乳がんについてセカンドオピニオンも含めてもっと冷静になれたのかもしれない。

    ブッシュって本当にいるかもしれないなーと今更ながら思う。

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