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神経筋疾患遺伝子パネル検査

神経筋疾患遺伝子パネル検査

遺伝子パネル検査では、血液などの検体からDNAなどを取り出し、多数の遺伝子のセットに対して検査を行います。この遺伝子たちのセットをパネルと呼びます。

神経筋疾患遺伝子パネル検査では、ミオパチー、筋ジストロフィー、筋緊張症、筋無力症、脊髄性筋萎縮症などの神経筋疾患に関係する138の遺伝子をお調べします。神経筋疾患は、筋肉、末梢神経系、および神経と筋肉の間の信号を中継する経路に影響を及ぼします。神経筋障害の症状は様々ですが、共通の特徴として、進行性の筋力低下、疲労、筋肉痛、嚥下障害、平衡感覚障害などが挙げられます。これらの症状やその他の症状は、乳幼児期から成人期までのどの時期にでも発症する可能性があります。これらの疾患は、筋電図、筋生検、生化学検査、遺伝子検査、および臨床症状に基づいて分類されます。

現在、これらの疾患の多くには治療法がないため、治療は理学療法、薬物療法、時には手術による症状の管理に重点が置かれています。このパネルには、筋ジストロフィー、ミオパチー、筋緊張症、筋無力症候群、脊髄性筋萎縮症、代謝性疾患と関連する遺伝子が含まれています。

この検査は誰のためのものですか?

この遺伝子パネルは、個人または家族に神経筋障害の病歴がある方に適しています。また、原因不明の筋力低下や上記のような症状をお持ちの方にも有効な場合があります。

この遺伝子パネル検査には、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(FSMD)遺伝子検査は含まれませんので、別途該当ページをご覧ください。

関連記事:顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(FSMD)遺伝子検査

患者にとってどのような利点がありますか?

遺伝性神経筋疾患と診断された患者さんには、理学療法や作業療法、投薬管理、標的症状管理などの補助的な手段が有効です。

神経筋疾患遺伝子パネル検査では、以下のことが可能です。

  • 適切な診断の確立または確認
  • 追加的な関連症状のリスクの特定
  • 患者さんを関連するリソースやサポートにつなげる
  • より個別化された治療と症状管理の実現
  • 視力低下に対する患者の心構え
  • 家族に自身の危険因子について知らせる
  • 家族計画のための選択肢を提供する

神経筋疾患遺伝子パネル検査の対象となる遺伝子

ACAD9, ACADL, ACADM, ACADVL, ACTA1, AGL, AMPD1, AMPD3, ANO5, ATP2A1, ATP7A, B4GAT1, BAG3, BIN1, BSCL2, CACNA1S, CAPN3, CAV3, CAVIN1, CFL2, CHAT, CHKB, CHRNA1, CHRNB1, CHRND, CHRNE, CHRNG, CLCN1, CNTN1, COL6A1, COL6A2, COL6A3, COLQ, CPT1B, CPT2, CRYAB, DAG1, DES, DMD, DNAJB6, DNM2, DOK7, DPM1, DPM3, DYNC1H1, DYSF, EMD, ETFA, ETFB, FHL1, FKRP, FKTN, FLNC, GAA, GLE1, GNE, GYS1, HADHA, HADHB, IGHMBP2, ISPD, ITGA7, KBTBD13, KLHL40, LAMA2, LAMP2, LARGE1, LDB3, LMNA, LPIN1, MEGF10, MTM1, MTMR14, MUSK, MYH2, MYH7, MYOT, NEB, OPA1, OPA3, PABPN1, PEX1, PEX12, PEX14, PEX2, PEX26, PEX3, PEX5, PEX6, PFKM, PGAM2, PGM1, PHKA1, PLEC, PLEKHG5, PMM2, PNPLA2, POLG, POLG2, POMGNT1, POMGNT2, POMT1, POMT2, PYGM, RAPSN, RRM2B, RXYLT1, RYR1, RYR2, SCN4A, SELENON, SGCA, SGCB, SGCD, SGCE, SGCG, SIL1, SMN1, SMN2, SUCLA2, SYNE1, SYNE2, TCAP, TK2, TMEM43, TNNI2, TNNT1, TNPO3, TPM2, TPM3, TRIM32, TRPV4, TTN, TWNK, TYMP, UBA1, VCP, VRK1 ( 138 遺伝子 )

Sequencing(塩基配列の決定)とDel/Dup(欠失/重複)が検査対象となります。

検査に必要な検体

検査に必要な検体は以下の通りです。

  • 血液
  • 唾液*
  • 口腔粘膜ぬぐい液*

*唾液・口腔ぬぐい液の場合、遠隔地の方でもオンライン診療(ビデオスルーでの診察の事をいいます)で遺伝カウンセリングをしたのち、検体を当院にお送りいただく形で、当院にお越しにならずに検査が可能です。遠方の方でもお受けいただけます。

検査の限界

全ての配列決定技術には限界があります。この検査は次世代シークエンサー(NGS)によって行われ、コード領域とスプライシングジャンクションを調べるためにデザインされています。次世代配列決定技術およびバイオインフォマティクス分析は、偽遺伝子配列または他の高度に相同な配列の寄与を優位に減少させますが、これらは配列決定および欠失/重複分析の両方において、病原性の対立遺伝子を同定するアッセイの技術的能力を妨害する場合があります。サンガー法は、低品質スコアのバリアントを確認し適用範囲の基準を満たすために用いられます。整理されていれば、欠失/重複分析により、1つの全遺伝子(口腔ぬぐい液検体及び全血検体)を含み大きさが2つ以上の連続したエクソン(全血検体のみ)であるゲノム領域の変化を同定できます。この検査で単一エクソンの欠失または重複が時々同定されることがありますが、日常的に検出されるものではありません。同定された推定上の欠失または重複は、直交法(qPCRまたはMLPA)によって確認されます。このアッセイは、限定されるものではありませんが、転座または逆位・反復身長(例:トリヌクレオチドまたはヘキサヌクレオチド)・大部分の調節領域(プロモーター領域)または深部イントロン領域(エクソンから20bpを超える)における変化のような疾患を引き起こし得る特定のタイプのゲノム変化を検出しません。このアッセイは、体細胞モザイク現象または体細胞突然変異の検出のためにデザインまたは妥当性が確認されていません。

カバレッジ

遺伝子パネル検査の場合、カバレッジは96% at 20xとなるよう保証されます。

特記事項

遺伝子 特記事項
SMN2 SMN2 (NM_017411.3) の現在の検査方法は、SMN1 で診断結果が検出されたことを条件に、エクソン 7-8 のシークエンスおよび欠失・重複解析に限定しています。この遺伝子の他の領域については、塩基配列の決定および欠失/重複解析は行われません。

結果が出るまでの期間

3-5週間

検査費用

275000円(税込)遺伝カウンセリング料金は別途30分16500円(税込)かかります。

文責:仲田洋美(医師)

プロフィール

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プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

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