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微細欠失症候群について 

 

 検査可能な5種類の微細欠失症候群の頻度を合計すると,この5つのいずれかの微細欠失症候群の出生確率は約0.07%となります.1000人で約0.7人.これを低いととらえるか,高いと捉えるのかは個々人により異なるのでしょう.しかし,該当する個体にとっては,当たる当たらないは0か1の世界.確率の世界と現実との間には埋められない溝があります.現実は何もかもを凌駕するのです.だから,「実際に当たるかどうか教えてくれよ」というご意見はあってしかるべきであって,それを受けて自己決定したいという要求を間違っていると決めつけることは出来ないと思います.

 

微細欠失症候群ってなあに?

 微細欠失症候群は染色体の一部の小さな断片がなくなることが原因で起こる疾患群です.

ある一定の染色体に特異的かつ一般的に起こり,よく知られた遺伝性症候群に関連しています.ほとんどは両親からの遺伝ではなく新生突然変異(祖先から受け継いだものではなく精子や卵子ができるときにおこる突然変異のことです.)で起こり,危険因子や家族歴がありません.

 

検査の利益はなあに?

 多くの微細欠失症候群は,身体的精神的双方に障害をもたらし,深刻な健康問題を起こします.これらは血清マーカーテストや超音波検査では検出できません.ベリファイ・プラスでは絨毛検査や羊水検査といった侵襲的な検査に比較して非侵襲的な検査オプションとして微細欠失症候群を提供いたします.

 

なぜベリファイ・プラス?

 ベリファイでは新型出生前診断を5つの微細欠失症候群の検出に拡大しました.妊娠期のマネージメントや新生児を迎えるにあたり準備をすることができることを意図しています.

 

ベリファイ・プラスでは,臨床や研究のサンプル11万5千のなかから検討し,偽陽性の低さと22q11欠失で99.0%という陽性的中率,10.5%から66.7%というその他の微細欠失症候群の陽性的中率を得ることができました.

微細欠失症候群の陽性的中率

こちらが,5か所の微細欠失に対する陽性的中率です.
この10%未満という数字を見て,この検査は意味がないという人がいますが.
スクリーニング検査の意味が理解できていないのだと思います.
スクリーニング検査というのは,正常と思われる集団から異状の可能性のある人をはじき出して,確定診断のチャンスを作るという目的の検査です.
診断目的の検査ならほぼ100%に近い的中率を求められますが
この検査自体が胎盤に由来するDNA成分を利用して測定する,という原理的な問題から,
どんなに確率が高くても確定診断にはならないんです.
くわしくは
https://minerva-clinic.jp/nipt/content/aboutnipt/chapter5_why_niptis_not_diagnostic/screeningtest/
をご覧ください.
それでも.10%しかあたってなくても,あたった10人に一人にとっては一生の問題です.

1p36欠失症候群 

1p36の欠失.発生頻度は1/4,000-10,000.

成長障害,重度精神発達遅滞,難治性てんかんなどの症状を来たします.

落ちくぼんだ眼,尖った顎などの特徴的な顔貌もほぼ全例に認められます.乳児期には筋緊張低下,哺乳不良が認められることもあります.合併症として先天性心疾患,難聴,斜視,白内障,肥満,稀に神経芽細胞腫を生じることがあります.

 

4p16.3欠失症候群 

Wolf-Hirschhorn Hirschhorn 症候群.頻度は1/9,6000.

  4番染色体短腕に位置する遺伝子群の欠失により引き起こされる疾患で,重度の精神発達の遅れ,成長障害,難治性てんかん,多発形態異常を主徴といたします.

   特徴的顔貌,成長障害,重度の精神発達の遅れ,筋緊張低下,難治性てんかん,摂食障害などが認められます.

 

5p-症候群

猫鳴き症候群

1/15,000~50,000.

低出生体重(2,500g未満),成長障害,新生児期から乳児期に認める甲高い猫のなき声のような啼泣は高頻度に認められる特徴的所見です.この他に小頭,丸顔,眼間開離,小顎,内眼角贅皮,耳介低位などの顔貌所見や筋緊張低下,精神運動発達の遅れの所見を伴います.

 

15q12欠失症候群

 Prader-Willi 症候群 父由来. 出生1/10,000~1/25,000 .

   内分泌・神経・奇形症候群.内分泌学的異常(肥満,低身長,性腺機能障害,糖尿病など),神経学的異常(筋緊張低下,特徴的な性格障害,異常行動)がみられる.小さな手足,アーモンド様の目,色素低下など奇形徴候を示します.臨床症状の特徴は,年齢毎に症状が異なることです.乳児期は,筋緊張低下による哺乳障害,体重増加不良,幼児期から学童期には,過食に伴う肥満,思春期には二次性徴発来不全,性格障害,異常行動,成人期には,肥満,糖尿病などが問題となります.

 Angelman 症候群. 母由来.出生 1/12,000.

   重度の発達障害(特に言語表出障害),失調性歩行,睡眠障害,容易に惹起される笑い発作,多動傾向,水の嗜好性,色白の皮膚,顔貌の特徴,小頭症,など.一方,他人との関わりをもちたがる点,洞察力や観察力が鋭い点,感受性が豊かな点などの長所も知られている.重症精神遅延,難治性てんかん(非定型欠神発作,ミオクロニー発作など),発達遅延,心合併症(肥大型心筋症,心奇形,不整脈),嚥下障害,呼吸不全,斜視などを合併.

 

22q11.2欠失症候群

  DiGeorge症候群.出生1/4.000.

  患者の80%は先天性心疾患を合併し,胸腺発達遅延・無形成による免疫低下,特徴的顔貌,口蓋裂・軟口蓋閉鎖不全,低カルシウム血症などを主徴とする.心疾患は,ファロー四徴症,肺動脈弁欠損,肺動脈閉鎖,主要体肺側副動脈の合併などがある.さらに,合併する免疫低下,血小板減少,肺高血圧などにより手術死亡の報告もあり,未だ効果的な治療方法は未確立,予後不良の疾患である.患者はたとえ生存しても,発達遅延や精神疾患,統合失調症などによる生活面の長期にわたる支障を来す.発達遅延,特徴的顔貌,先天性心血管疾患,口蓋裂,胸腺低形成,低カルシウム血症など多様な臨床症状を伴う.重症な心奇形に加え,低身長,血小板減少,汎血球減少,痙攣,斜視,気管支軟化症,脳萎縮,白内障,尖足,側弯症,腎奇形,尿道下裂,鎖肛,鼠径ヘルニアなど180以上の臨床症状が報告されている.

 

全染色体について

https://minerva-clinic.jp/nipt/cgc_nakayama_nipt/prenatal-prevalence/
こちらのページで認定遺伝カウンセラーの中山さんが
判りやすく説明していますのでご覧頂ければと思います.

NIPT検査会社(ベリナタ社)契約締結のお知らせ


更新日 2018年7月吉日

神宮外苑ミネルバクリニックは、アメリカのベリナタ社と契約締結の運びとなりました。

NIPTに使用するセルフリー胎児DNA(cffDNA)は、イルミナ社の次世代シークエンサーNGSだけが分析できるようになっているため、この分野に限ってはイルミナのシェアは100%となっています。NIPTはアメリカのシーケノム社、ベリナタ社、アリオサ、ナテラ社が先行して開発し、それぞれ違うアルゴリズムを開発して判定していますが、分析する機器とそれを動かすプラットフォームは世界中すべてイルミナ社のものなのです。現在、たくさんの検査会社が世界中でNIPTの検査を行っていますが、この4社から技術移管を受けて行っているものが殆どだと考えられます。
ベリナタ社はのちに、そのイルミナ社が買収したため、イルミナ社の子会社となっています。

当院は、我が国の医療機関としては初めて、由緒正しいベリナタ社と直接契約することを許可されました。「専門医を持っていないと保険会社が契約してくれない」ので医師のほとんどが何らかの専門医をちゃんと取得しないと医師として仕事ができない「専門医文化」が確立している国がアメリカ。その国のNGSの世界のリーディングカンパニーから、臨床遺伝専門医が運営する医療機関であることを評価していただき、小さな国の小さなクリニックでも、専門医のライセンスだけできちんと認めてもらえるということを、今回当院がベリナタと契約できたことでお示しできたということは、非常に大きいことだと考えています。
当院は最先端の医療であることは間違いない遺伝診療の世界で、我が国の最先端をこれからも力強く歩んでいきたいと思います。
当院とベリナタ社の契約に際して、お世話になりました関係者の皆様に、謹んで深謝申し上げます。

医療機関としての規模や経営母体にかかわらず、専門医が専門医としてきちんと認められる社会にしていきたい、専門医の1人としてそう願っています。そういう意味で、今回、個人経営の医療機関である当院がアメリカの巨人に認められたことは本当に大きいと感無量です。これからも、専門医のライセンスだけを武器に、群れを嫌い、権威を嫌い、束縛を嫌い、自由に発想し、大胆かつ繊細に行動し、国民の皆様のための医療を提供していけるよう精進したく存じます。

仲田洋美 拝