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遺伝子ブライダルチェックパネル検査|保因者検査+不妊検査+59のActionable疾患遺伝子

米遺伝子ブライダルチェックパネル検査|保因者検査+不妊検査+59のActionable疾患遺伝子

遺伝子ブライダルチェックは遺伝性疾患のリスクを持つカップルを特定するための遺伝子検査です。これから出産を予定されているご夫婦や、すでに妊娠中のご夫婦は、推奨される遺伝子検査に関する情報を得るために、このページを熟読されることをおすすめします。

米国産科婦人科学会ACOGは、2017年からキャリアスクリーニングを妊娠中のすべての女性に提供することを推奨していますが、妊娠を検討している女性に提供されることが理想的です。また、米国産科婦人科学会(ACOG)は、Obstetrics & Gynecology誌に掲載された、妊娠中および妊娠前のすべての女性に対する遺伝性疾患のキャリアスクリーニングの拡大に関する勧告を発表しました。

さらに、米国人類遺伝学会(ACMG)は、妊娠前および出生前キャリアスクリーニングに関する最新のガイダンスを発表しています。最適なパネルサイズや、どの遺伝子を含めるべきかなど、複数の要因について考察されました。このガイダンスでは、キャリアスクリーニングを4つの段階に分けて、Tier3を推奨しています。さらに、ACMG委員会は、パネルを全人類的なものにすることと、これらの検査を人種および/または民族ごとに分けることの問題を扱いました。

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日本では結婚前、妊娠前の検査はブライダルチェックと呼ばれてきましたので、これはまさに遺伝子ブライダルチェックに該当するでしょう。

重い遺伝病のお子さんがうまれるのを予防する方法

アメリカでは現在、お子さんを作る前に保因者検査をして、病気のお子さんが産まれる可能性がないのかを見ることが一般的になっています。保因者とは病的遺伝子を持っているが一生涯発症しない人を言います。

米国ではすでに保因者頻度が200人に1人以上の113遺伝子を含む保因者スクリーニング検査を妊娠前にすることが推奨されています。

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お子さんが先天異常をもって生まれる確率は3%。実に30人に1人と多いものです。遺伝子の異常による疾患はその2割を占める多いものです。今では遺伝子検査でその可能性を事前に知ることができます。「転ばぬ先の遺伝子検査」として是非ご検討ください。

日本では、遺伝にまつわる話を避ける人が多く、また、こうした検査を受けると破談になったらどうしようとか怖くなるお気持ちもあると思いますが、重い遺伝病のお子さんが産まれてから自分たちが保因していたことを知るよりは、はじめから知り、避ける方法があれば避けるほうが現実的で解決的ではないでしょうか?

その解決を導くための検査が保因者スクリーニング検査なのです。保因者スクリーニング検査で当該カップルがある疾患の病的遺伝子を持っていて、1/4の確率でお子さんが病気になると判った場合には、体外受精をして着床前診断をすることにより疾患のないお子さんを持つことができる時代になっています。

少子化の時代。少ないお子さんを健康に産むためにも、保因者スクリーニング遺伝子検査がおすすめです。

院長アイコン

ミネルバクリニックでは、以下のブライダルチェック遺伝子検査を提供しています。ミネルバクリニックでは臨床遺伝専門医が常駐しており、お二人の未来の幸せなライフスタイルの実現をサポート致します。また、この検査はオンライン診療でも可能ですので、全国どこからでもミネルバクリニックにお越しにならずに完結致します。ブライダルチェック遺伝子検査は結婚後でも妊娠後でも大丈夫です。お子さんをもとうとする前に、一生に一度しか受ける必要がない検査ですので、是非ご検討下さい。

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遺伝子ブライダルチェックパネル検査に含まれる内容

遺伝子ブライダルチェックに含まれるのは以下の検査内容となります。

1. キャリアスクリーニングパネル遺伝子検査

キャリア(保因者)とは、常染色体劣性またはX連鎖性疾患における病原性または病原性の可能性が高いバリアントを2つある同じ遺伝子の一方にもつヘテロ接合体である個体を指します。”常染色体劣性遺伝性疾患またはX連鎖性遺伝性疾患の子供を持つリスクのある個人やカップルを特定するために用いられる分子生物学的検査をキャリアスクリーニングと言います。一般的にキャリア(保因者)は健康であるが、例えばフラジャイルX(脆弱X症候群)のキャリアは早発卵巣機能不全のリスクがあるという風に、医学的な問題がある場合もあります。
キャリアスクリーニングは、患者さんに妊娠に関する知識を提供し、生殖の選択肢や管理計画について十分な情報を得た上で選択できるようにします。
女性では427遺伝子(男性はX連関遺伝がないためX連関遺伝子は検査しません)が含まれます。詳しくはキャリアスクリーニング遺伝子パネル検査のページをご覧ください。
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2. 不妊症チェック遺伝子パネル検査
約10~15%のカップルが不妊を経験します。もしも、これから結婚してお子さんを考えているお二人が、遺伝子検査で異常があれば、通常に妊娠するのが困難であることがわかり、早めに体外受精などの不妊治療を本格的に考えるきっかけになるでしょう。不妊症とは、避妊をしない性交を頻繁に行った後、1年経っても妊娠しないことを指すことがほとんどです。不妊症について疑問がある場合は、医療従事者に相談するとよいでしょう。米国産科婦人科学会(ACOG)は最近、不妊症が疑われる場合に医師が行うべき最初のワークアップに関するガイドラインを発表しました。男性、女性ともに、病歴身体検査、遺伝子検査などの追加検査が含まれます。

例えばフラジャイルXの保因者である女性は、40歳以前に卵巣が正常に機能しなくなる原発性卵巣機能不全になるリスクが高くなります。女性で対象となる遺伝子(女性不妊と関係する遺伝子)は、以下の通りです。
ANOS1, AR, BMP15, CBX2, CYP11A1, CYP19A1, CYP21A2, DHH, FGF8, FGFR1, FIGLA, FMR1, FOXL2, FSHB, FSHR, GNRH1, GNRHR, HESX1, HSD17B3, KISS1, KISS1R, LHB, LHCGR, LHX3, LHX4, MAP3K1, NOBOX, NR0B1, NR5A1, NSMF, POU1F1, PROKR2, PROP1, SEMA3A, SOHLH1, SRD5A2, TAC3, TACR3, TUBB8, WDR11, WNT4, ZP1 ( 42遺伝子 )

例えばCFTR遺伝子に特定のバリアント(変異)を持つ男性は、精子を運ぶことができない精管の異常を持つ可能性があります。男性不妊と関係する対象遺伝子は以下の通りです。
AMH, AMHR2, ANOS1, AR, AURKC, CATSPER1, CFTR, CYP17A1, CYP19A1, CYP21A2, DNAI1, DPY19L2, FGF8, FGFR1, FSHB, FSHR, GNRH1, GNRHR, HESX1, HSD17B3, KISS1, KISS1R, KLHL10, LHB, LHCGR, LHX3, LHX4, NR0B1, NR5A1, NSMF, POU1F1, PROKR2, PROP1, RSPO1, SEMA3A, SOX3, SOX9, SPATA16, SRD5A2, SRY, TAC3, TACR3, USP9Y, WDR11, WNT4 ( 45 genes )
SOX3 現在の検査方法では、この遺伝子のトリヌクレオチドリピート拡張は評価されません。

カバー率は20×で96%ととなっています。

3. 将来の身体的状況が改善できる59の遺伝子

成人において将来の身体的状況が改善できる59の遺伝子は、”Actionable “遺伝子と言われ、その病的バリアントがあるとわかった場合、科学的根拠(エビデンス)に裏付けられた医療介入サーベイランスを含む)が実行された場合、死亡率または重大な罹患の回避という点で、当該個人の転帰を改善すると期待される、特定の定義された医療勧告をもたらす、生命に関わる病的変異を有するものと定義されています。参考文献
基本的には、アクション可能な遺伝子に病原性の変異が見つかった場合、特定の予防や治療行為を推奨する根拠があることを意味します。米国医遺伝学会(ACMG)により、行動可能な遺伝子とされている遺伝子は多数あり、こちらで確認できます。

遺伝子ブライダルチェックパネル検査は誰のためのものですか?

遺伝子ブライダルチェックパネル検査は、これからお子さんを持とうとするカップルのために適した検査です。

患者にとってどのような利点がありますか?

遺伝子ブライダルチェックパネル検査には、米国臨床遺伝学会ACMGが求めるTier3をすべて満たすキャリアスクリーニング検査が400以上の疾患に対して行うことができます。家族歴がなくてわかりにくいこうした疾患の原因となる遺伝子を持っているかどうかは、重い遺伝病のお子さんを持つこととなるカップルにとっては非常に重要な情報となります。さらに、もしもご自身がもっていたら医学的介入(検査や治療)をすることで将来を変えることのできる59の遺伝子を調べることができます。また、不妊の原因となる遺伝子を一度に調べることが可能ですので、これからお子さんをもつことを考えているカップルに家族計画のための総合的かつ人生全般にわたる指針を与えることが可能です。
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検査に必要な検体

検査に必要な検体は以下の通りです。

  • 血液
  • 唾液*
  • 口腔粘膜ぬぐい液*

*唾液・口腔ぬぐい液の場合、遠隔地の方でもオンライン診療(ビデオスルーでの診察の事をいいます)で遺伝カウンセリングをしたのち、検体を当院にお送りいただく形で、当院にお越しにならずに検査が可能です。遠方の方でもお受けいただけます。

検査の限界

全ての配列決定技術には限界があります。この検査は次世代シークエンサー(NGS)によって行われ、コード領域とスプライシングジャンクションを調べるためにデザインされています。次世代配列決定技術およびバイオインフォマティクス分析は、偽遺伝子配列または他の高度に相同な配列の寄与を優位に減少させますが、これらは配列決定および欠失/重複分析の両方において、病原性の対立遺伝子を同定するアッセイの技術的能力を妨害する場合があります。サンガー法は、低品質スコアのバリアントを確認し適用範囲の基準を満たすために用いられます。整理されていれば、欠失/重複分析により、1つの全遺伝子(口腔ぬぐい液検体及び全血検体)を含み大きさが2つ以上の連続したエクソン(全血検体のみ)であるゲノム領域の変化を同定できます。この検査で単一エクソンの欠失または重複が時々同定されることがありますが、日常的に検出されるものではありません。同定された推定上の欠失または重複は、直交法(qPCRまたはMLPA)によって確認されます。このアッセイは、限定されるものではありませんが、転座または逆位・反復身長(例:トリヌクレオチドまたはヘキサヌクレオチド)・大部分の調節領域(プロモーター領域)または深部イントロン領域(エクソンから20bpを超える)における変化のような疾患を引き起こし得る特定のタイプのゲノム変化を検出しません。このアッセイは、体細胞モザイク現象または体細胞突然変異の検出のためにデザインまたは妥当性が確認されていません。

結果が出るまでの期間

3-5週間

検査費用

お一人様275000円(税込)。遺伝カウンセリングは別途30分16500円(税込)かかります。カップルで同時に受ける場合には、合計金額を495,000円(税込)となります。

お高いと感じるかもしれませんが、50万人に1人の常染色体劣性(潜性)遺伝病の保因者は約350人に1人です。一生に何回もする検査ではありませんので、人生設計の一環として、安心してお子さんを持つために、お受けになった方が良いと感じています。

文責:仲田洋美(医師)

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プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

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