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「NIPTで陰性だったのに…」初めての赤ちゃんを失った悲しみから奇跡の出産までの道のり

Aさんは重度な子宮腺筋腫症で痛くて子宮が硬くて大変だでした。しかし、夢であったお子さんを授かりたいと考え、体外受精に挑戦することに。医師の助けを借りて妊娠し、NIPT検査も受けたが、陰性であったため、子宮の痛みはありつつ、頑張ろうと決心しました。しかしながら、赤ちゃんが大きくなるのに、子宮が固いので伸びなくて、赤ちゃんの大きさに合わなくなってしまい、赤ちゃんは失われてしまいました。Aさんは悲しみに暮れましたが、やはり旦那様との間に赤ちゃんがどうしても欲しいという強い気持ちがあり、再び体外受精に挑戦しようと決意しました。その前に、大量の腺筋腫を摘出し、妊娠を果たした。次もNIPTでも陰性と判明し、安心して赤ちゃんの成を願いながらの日々。数々の困難や不安な状況を乗り越え、ついにAさんは奇跡の出産を果たしました。その道のりをご報告します。

子宮腺筋腫症とは

子宮腺筋腫症(Myoma uteri、または単に「子宮筋腫」や「子宮腫瘍」とも呼ばれます)は、女性の子宮内に発生する艄筋腫(筋腫)と呼ばれる良性の腫瘍の一種です。これらの腫瘍は、子宮の壁にできる組織の増殖によって形成され、通常は筋肉と結合組織から成り立っています。

子宮腺筋腫は、一般的な女性の健康問題で、多くの女性がその一生に一度は子宮内に腫瘍を発症します。しかし、ほとんどの子宮筋腫は無症状であり、気づかないことが多いです。症状がある場合、以下のようなものが含まれます。

月経異常:過度の出血、長期間の生理、月経周期の乱れなど。
下腹部痛:子宮筋腫が大きくなると、腹痛や鈍痛が生じることがあります。
頻尿や排尿困難:子宮が膀胱に圧迫をかけることがあるため、頻尿や排尿困難が生じることがあります。
妊娠問題:子宮筋腫が子宮内膜に影響を与えることで、妊娠、流産、出産の困難などの問題を引き起こすことがあります。

子宮腺筋腫の治療法は、症状の重さ、患者の年齢、希望する妊娠の可能性などに基づいて選択されます。治療法には、薬物療法、手術、経穴摘出術(子宮筋腫塞栓術)、子宮動脈塞栓術などが含まれます。どの治療法が最適かは、個々の患者の状況によります。

体外受精による妊娠とNIPTの陰性

Aさんは、どうしてもお子さんが欲しかったので、危険を承知で体外受精にチャレンジしました。もちろん、不妊治療の医師からも、妊娠できてもその先が問題だとは言われていました。
その後、Aさんは念願の妊娠を知ることができました。苦難の連続だとはわかっていました。そこで、NIPTを受けて陰性だったら安心して踏ん張れるのかと思い、ミネルバクリニックで一番項目の多いNIPTを受けました。すべて陰性でした。
この時、NIPTに来たAさんのおなかは、明らかに膨らんでいて、さわると非常に固かったです。痛みも強いと言っていました。なので、大丈夫なのかなと私の方が不安でたまりませんでした。

赤ちゃんの成長に問題が発生し、切迫流産の危機に

NIPTの結果、陰性だったので、これで頑張れると思っていた矢先、赤ちゃんは子宮が硬く、育つことができず、狭くなってしまう子宮に押しつぶされる形で失われてしまいました。
NIPTを受けた時点でおへその下まで子宮があって、非常に固かったので。子宮が柔らかくないと、赤ちゃんが大きくなるにつれて伸展することが出来ませんので、赤ちゃんを押しつぶしてしまったのです。

初めての出産を失った悲しみ

折角苦労して妊娠したのに….Aさんは悲しみの底にありましたが、やはり赤ちゃんを産みたいという気持ちは、簡単に捨てられるものではありませんでした。

子宮腺筋腫喀出してくれる医師の存在と手術

悲しみを乗り越えて、今度は、固い子宮を何とかする必要があるということで、子宮の腺筋腫を全部取ってくれる医師をネットで一生懸命探しました。
子宮腺筋腫を喀出してくれる医師を全国から探し求め、子宮腺筋症の専門外来がある病院をやっと見つけたAさん。300キロ近く離れたその病院を受診し、大量の腺筋腫を摘出してもらいました。その手術は日本ではその医師しかやっていないそうです。
手術は無事に成功しました。

再び、不妊治療にチャレンジ

手術は成功し、1年位の時間をおいて、Aさんは嬉しい再挑戦をすることができました。体外受精で再び妊娠することもできました。そして、やはり、NIPTを受けました。
2回目にNIPTを受けに来た時のAさんのおなかは柔らかく、初期なのでお腹から子宮を触れることもありませんでした。
結果は、陰性。
Aさんはまた安心しました。
一日一日。大切におなかの中で、赤ちゃんを育てました。
だけど、Aさんの子宮には数えきれない腺筋腫の喀出術の痕があります。子宮破裂をいつ起こすかわからないのです。しかし、奇跡的に無事な経過をたどり、赤ちゃんは無事に生まれました。

奇蹟の出産を経て

今は、Aさんは幸せな母親として、大切な息子の育児に励んでいます。苦しい出産の失望と悲しみから、手術と再挑戦を経て、奇跡の出産までの道のりは決して簡単ではありませんでした。しかし、母親としての喜びは、その苦しみを補うほど強く、Aさんは今、幸せを感じながら息子を育てています。

まとめ

このように、重度な子宮腺筋腫症に耐えながらも、Aさんは最愛の赤ちゃんを授かるために多くの苦難を乗り越えたのでした。
Aさんの奮闘は、多くの人々に勇気を与え、希望をもたらしています。彼女が乗り越えた壁は多岐にわたりますが、最後には明るい光が差し込んで、それが彼女の奇跡的な出産につながったのです。
Aさんはわたしに、「あきらめないことのすごさ」を教えてくれました。末永くお幸せにと願っています。

院長アイコン

ミネルバクリニックでは、以下のNIPT検査(新型出生前診断)を提供しています。少子化の時代、より健康なお子さんを持ちたいという思いが高まるのは当然のことと考えています。そのため、当院では世界の先進的特許技術に支えられた高精度な検査を提供してくれる検査会社を遺伝専門医の目で選りすぐりご提供しています。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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