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NIPTと従来の検査を比較!NIPTを選ぶメリットとは

高齢出産になるとリスクが高くなるため、NIPTなど出生前診断を受けることを勧められることもあるでしょう。また、高齢出産でなくても、不安があるから受けておきたいと考えている人もいるかもしれません。
この記事では、出生前診断の非確定的検査と確定的検査の違いとそれぞれの特徴、NIPT受検のメリットについて解説します。

非確定的検査と確定的検査のちがいとは

検査比較

出生前検査診断には、非確定検査確定検査の2種類あります。
非確定的検査はNIPT、コンバインド検査母体血清マーカーの3種類、確定的検査は絨毛検査羊水検査の2種類です。非確定的検査は病気がある確率がわかる検査ですが、確定的検査は病気があるかないか、はっきりとわかる検査です。

非確定的検査の目的は確定的検査を受けるかを決めることです。非確定的検査は、検査の結果わかる病気が少ないという特徴があります。非確定的検査と確定的検査の違いとそれぞれの特徴について解説します。

NIPTを含む3つの非確定的検査とそれぞれの特徴

非確定的検査は、検査の結果「陽性」と出た場合に確定的検査を受けるかどうか決めるための判断となる検査です。また、調べられる病気が少ないという特徴があります。赤ちゃんの病気にはたくさん種類があり、非確定的検査でわかる病気は一部しかないのです。

NIPT(新型出生前診断)

NIPTは妊娠9〜10週以降に、妊婦さんの血液検査をすることによって、赤ちゃんのDNAの断片を調べられる検査です。21トリソミーダウン症)、18トリソミー13トリソミーの3つのトリソミーがある可能性を調べられます。

NIPTは非確定的検査のため、検査結果は「陽性」「陰性」「判定保留」の3ついずれかとなります。「陽性」と判定が出ても、病気の可能性が高いということがわかり、偽陽性となることもあるため、確認のためには確定的検査をする必要があります。
費用は施設によって異なり、10万〜20万円のところが多いですが、ミネルバクリニックでは、3つのトリソミー以外にも病気の可能性がわかるスーパーNIPT検査ができるため、お問い合わせください。

コンバインド検査

コンバインド検査は、超音波検査と母体血清マーカー検査を組み合わせた方法です。母体血清マーカーは妊婦さんの血液検査をします。また、超音波検査は、妊娠11〜13週ごろに行う施設が多いでしょう。
超音波検査では、21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーの3つのトリソミーがある可能性を調べられます。NTと呼ばれる首の後ろのむくみをみることが多いですが、他にも鼻骨(NB)、静脈血流波形(DV)、三尖弁血流(TR)などを組み合わせて検査を行うことがあります。費用は5,000円〜5万円と施設により差があり、超音波検査はオプションとして実施している施設もあり、さまざまです。

超音波検査でみる項目が増えるほど検査精度が増すと言われていますが、高度な技術を要するため認定資格があり、検査者は訓練が必要と言われています。

母体血清マーカー検査(クアトロテスト)

母体血清マーカー検査は、妊婦さんの血液検査を行い、AFP(αフェトプロテイン)、hCG(またはfreeβ-hCG)、uE3エストリオール)、inhibin A(インヒビンA)の4項目のバランスがどのように含まれているかをみる検査です。合わせて妊婦さんの年齢、妊娠週数、体重、家族歴、インスリン依存性糖尿病の有無を加え算出します。

妊娠15〜20週ごろに行われ、21トリソミー、18トリソミー、開放性神経管奇形の3つの病気の可能性について調べる検査です。
検査費用は施設により異なりますが、2〜3万円程度です。
検査費用はNIPTに比べ抑えられますが、検査によりわかる病気が限られているという特徴があります。

2つの確定的検査とそれぞれの特徴

確定的検査は、絨毛検査と羊水検査の2つあり、非確定的検査を受けた後に確定的検査を受けることが一般的です。
確定的検査では、検査の精度が非常に高く、赤ちゃんの病気があるかどうか、確定できる検査です。

絨毛検査

絨毛検査は、妊婦さんのお腹に針を刺し、胎盤の一部である絨毛をとる検査です。超音波で胎盤や赤ちゃんの位置を確認しながら針を刺します。

絨毛検査は羊水検査よりもはやい妊娠11〜14週ごろに行います。費用は施設により異なりますが、10〜20万円程度です。お腹に針を直接刺して検査をするため感染や出血のリスクがあり、また、流産のリスクも1%程度あると言われています。

21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーの3つのトリソミーだけでなく、性染色体異常など、さまざまな病気の有無がわかります。ただ、病気の程度や症状についてはわかりません。絨毛検査は胎盤の一部である絨毛をとる検査のため、「胎盤性モザイク」といい、検査結果と赤ちゃんの状況が一致しないことが1%程度あります。また、胎盤の位置などによっては、絨毛検査が行えない場合があります。

その場合は、羊水検査ができる時期まで待って、羊水検査を実施します。

羊水検査

羊水検査は、絨毛検査と同様妊婦さんのお腹に針を刺し、羊水を20ml程度とる検査です。超音波で胎盤と赤ちゃんの位置を確認しながら検査をします。赤ちゃんの細胞の一部がはがれて羊水の中にあるため、採取した羊水を培養することで、染色体の確定検査が行えます。検査は妊娠16週以降に行い、検査費用はおおよそ10万〜20万円程度です。

絨毛検査と同様お腹に針を刺すため、感染や出血、流産のリスクがありますが、流産のリスクは0.2〜0.3%程度と言われています。羊水検査により、21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーの3つのトリソミーだけでなく、性染色体の異常など、さまざまな染色体の病気の有無がわかります。

その他の検査との比較からわかるNIPTのメリット

確定的検査、非確定的検査と検査方法にはさまざまな種類があります。NIPT検査には以下のようなメリットがあります。

確定的検査よりは怠るが、他の非確定的検査よりも精度が高い

NIPTのメリットは非確定的検査の中でも検査精度が高いことです。コンバインド検査や母体血清マーカー検査を受けて陰性でも、赤ちゃんが生まれてから遺伝子異常が見つかるといったケースがあります。NIPTは検査の精度が高いため、他の非確定的検査と比べるとそういった状況を防げるでしょう。

ただ、他の非確定的検査と比較すると検査精度は高いですが、あくまで非確定的検査のため、確定検査に比べると精度は落ちます。NIPTは妊娠9週以降とはやい時期から検査を受けられるため、不安があり出生前診断を考えている場合、確定的検査を受ける前にNIPTを受けることをおすすめします。

確定的検査に比べ、流産の可能性がほとんどない

NIPTは、妊婦さんの血液を20cc程度とる検査で、赤ちゃんへの直接的な影響はありません。確定的検査は妊婦さんのお腹に針を刺して検査をするため、感染や穿刺により羊水が流出することなど、さまざまな要因により流産のリスクがあります。流産のリスクは絨毛検査で1%程度、羊水検査で0.2〜0.3%と高くはありませんが、0ではありません。

NIPTは検査による流産の可能性がほとんどなく、安心して検査を受けられるでしょう。

早期に受検可能なため、落ち着いて選択に臨める

コンバインド検査は妊娠11〜13週以降、母体血清マーカー検査は妊娠15週以降ですが、NIPTは妊娠9〜10週以降とはやい時期から検査ができます。陰性の場合は安心して妊娠生活を送ることができるでしょう。陽性の場合、気持ちの整理や受けとめるまでに時間がかかることもあるでしょう。確定的検査を実施し、その結果次第で中絶を考えるかなど、結果をふまえてどのような選択をするのか、落ち着いて考えられます。

また、妊娠中から生まれた後の環境を整えたり、産後はやい時期から治療ができたりと、事前に準備ができるというメリットもあります。検査結果から確定的検査までの時間が短いと落ち着いて選択ができない場合もあるため、検査をするまでに遺伝カウンセリングをふまえ、パートナーと話し合う時間を作ることはとても大切です。

NIPTのデメリット

メリットの多いNIPTですが、デメリットもあります。
出生前診断は必須ではないため、検査を受ける前にはデメリットも含め、NIPT検査の特徴を理解した上で、検査を検討しましょう。

他の非確定的検査より費用が高い

NIPTの検査のデメリットは他の非確定的検査より費用が高いことです。

検査名 検査時期 検査費用
NIPT 妊娠9〜10週以降 10万〜20万円
コンバインド検査 妊娠11〜13週以降 5,000円〜5万円
母体血清マーカー検査 妊娠15〜20週 2〜3万円

上記のとおり、他の非確定的検査と比べると検査費用は高く、保険適用外のため、全額自己負担となります。
金銭的な負担は大きいですが、検査の種類によりわかる病気が異なり、検査の精度は高いため、他の非確定的検査の特徴もふまえて、検討してください。

受検できる期間が限定的である

NIPTは妊娠9〜10週以降から受検できますが、受検可能な時期が妊娠15週ごろまでと限られています。
妊娠がわかってすぐに検査を受けられないことや、妊娠がわかった時期が遅いと検査ができないというデメリットはあるでしょう。

まとめ

出生前診断は非確定的、確定的検査があり、それぞれの検査にメリット・デメリットがあります。NIPTは他の非確定的検査と比較するとはやい時期から受検でき、流産の可能性はほとんどありませんが、検査費用が高い特徴があります。
検査前の遺伝カウンセリングで、検査結果が陽性の場合どうするか、検査を受ける上での疑問点や不安なことは事前に確認してから検査をしましょう。出生前診断は保険適用外の検査になるため、検査の特徴をふまえ、検査を受けるかどうかパートナーと話し合った上で決めてくださいね。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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